概要

ルシステム開発専用パッケージ「BA-Panel」を使って、LonWorks構成のBAシステムを構築した事例について紹介します。

使用パッケージ ロボティクスウェア BA-Panel(二重化構成)
接続プロトコル LonWorks
管理点数の総数 約2000点
Lon側機器構成 ・iLon600 *3台
・接続Lonデバイス数 ・・70ユニット
・渡辺電機製Lonデバイス(AI、AO、DI、DO、PI)
 ・空調DDC(インベンシス製)

  • BA-PanelにはLonWorks通信ドライバが標準で内蔵されており、
    通常のPLC接続ユニットを定義する感覚でLonWorksユニットを登録することができます。
  • Lonデバイスとの通信は、エシェロン社のLNSデータベースを介した通信となります。BA-PanelとLNS間の接続方式としては「ローカルクライアント」を使用します。

技術的特長

               

主要機能 BA-Panelに標準装備されている以下の機能を導入しました。
 ・ポイント一覧
 ・ロギング
 ・トレンドグラフ(1分トレンド)
 ・日報機能(日報、月報、年報)
 ・スケジュール
 ・グループ一括発停機能
 ・イベント連動制御
 ・デマンド監視
グラフィック画面 ・スケルトン ・・5枚
・空調・熱源 ・・30枚
個別カスタマイズ 以下の個別機能を、BA-Panelのスクリプト機能を使って実装しました。
 ・デマンド連動制御

また、リプレース前の旧システムの帳票フォーマットが特殊であったため、レポートレイアウトを改造し、特殊帳票フォーマットに対応しました。

スケジュール制御 本物件のLonWorksとの接続は汎用的なSNVT変数経由での信号授受のみであり、下位側機器にスケジュール制御機能をもったものが存在しないため、BA-Panelの「HIM制御」によるスケジュール制御を選択しました。
 ・HIM(中央監視システム)の画面上でマスタスケジュール、カレンダー情報の登録・編集を行う。
 ・HIMはスケジュール時刻を判定し、対象の機器のON/OFFを自動的に行う。臨時のスケジュール変更もHIMの画面から実行スケジュールに対する変更を行う。
 ・HIMは日の変わり目に実行スケジュールを自動生成する。

工夫した点・生じた問題の解決策など

Lon機器との接続調整

LonWorksのネットワーク構築には、LonWorksに関する専門知識(パケットサイズ容量計算など)が必要であり、現場立上時に適切な設定調整を行う必要があります。Lonをあつかう現場での取り合いの際によく発生する課題としては、Lon機器のデータの一部がHIM側で正しく表示されなかったり、表示はされるが更新速度が遅い等の問題です。主な原因としては、HIMから参照しようとしているSNVT変数が実際の機器側の変数名と異なる名称で定義されている等の人為的なミスや、Lon側機器の状態変化通知の設定が正しく行われていない等の設定ミス、FT-10のネットワーク経路にノイズなどの障害が発生している(ある系統以下だけが通信がおかしい)など、様々な要因が考えられ、これらの問題を発生の都度1つずつクリアにしていく必要があります。
尚、下位側担当者からよく受ける指摘として、「LonMakerで見えているがHimには表示されない、だからHim側の設定の問題では?」という指摘を受けることがありますが、LonMakerから下位側デバイスのモニタリングを行う際のLonTalkによる通信の仕組みと、BA-PanelからLNS経由でデータを受け取る仕組みとは、そもそも通信方式がちがうため、これは参考になりません。たとえばアナログ計測値の収集などは、HIMが定期的にポーリングしている訳ではなく、指定した周期(または、状態変化)によってLonデバイスから定期的に計測値をパケット送信してくる仕組みになっています。
定期的な収集が遅い場合は、上位側の問題というよりも、何らかの障害により下位側から指定周期になってもデータが送られてこない、という問題のことが多くあります。(機器側のSCPTが正しく設定されていなかった、など)

LonScannerの活用

LonWorksのネットワークを解析する専用ツールとして、エシェロン社から「LonScanner」というツールが販売提供されています。このツールは、現場立上の際に問題が生じた場合の調査手段として有効です。
本物件は3台のiLon600で構成されており、3系統のLonネットワーク系統のうち、1つの系統のLon機器の値がHIM側で正しくモニタリングできない(表示はされるが更新速度が著しく遅く、時折、機器異常や通信エラーが表示される)という障害が発生しました。HIM側の設定を疑うとともに、問題のiLon配下のネットワークにLonScannerで接続を行い、パケットの状況をチェックしたところ、この系統だけ高い頻度で常にエラーが発生している事がわかりました。パケットロスが多いことからターミネータの接続を疑い、他の系統のターミネータと交換したところ、正しく通信が行われるようになりました。