概要

ルシステム開発専用パッケージ「BA-Panel」を使って、BACnet構成のBAシステムを構築した事例について紹介します。

使用パッケージ ロボティクスウェア BA-Panel(二重化構成)
接続プロトコル BACnet IEIE-J-P-0003:2000 (アデンダムa)
管理点数の総数 約5000点
Icont構成 ・電気Icont ・・・山武SAVIC-FX SCS *1台
・空調Icont ・・・山武SAVIC-FX SCS *1台
・照明Icont ・・・山武SAVIC-FX SCS *1台
・防災Icont ・・・能美防災Icont *1台

  • BA-PanelにはBACnet通信ドライバが標準で内蔵されており、 通常のPLC接続ユニットを定義する感覚でBACnetユニットを登録することができます
  • 対応プロトコルは、上記の2000アデンダムaの他に、「BACnet IEIE-J-G-0006:2006 アデンダムa」にも対応可能です。

技術的特長

               

主要機能 BA-Panelに標準装備されている以下の機能を導入しました。
 ・ポイント一覧
 ・ロギング
 ・トレンドグラフ(1分トレンド)
 ・日報機能(日報、月報、年報)
 ・スケジュール
 ・グループ一括発停機能
 ・イベント連動制御
 ・デマンド監視
グラフィック画面 ・スケルトン ・・8枚
・空調・熱源 ・・30枚
・照明 ・・15枚
・自火報 ・・20枚
個別カスタマイズ 以下の個別機能を、BA-Panelのスクリプト機能を使って実装しました。
 ・火災復旧機能(客先独特の復旧確認手順に対応するため、復旧用の画面を独自開発)
 ・停電復旧制御(段階的にVCBを投入していく等、客先独自の特殊ロジックに対応)
 ・力率改善制御(無効電力を監視し、進相コンデンサの投入・遮断を自動化)
スケジュール制御 BA-Panelのスケジュール機能では、HIM側でスケジュール制御を行う「HIM制御」と、Icont側で実行スケジュールを 生成する「Icont制御」を選択可能ですが、本物件では「Icont制御」が採用されました。概ね、以下のような仕組みでスケジュールが実行されます。
 ・HIM(中央監視システム)の画面上でマスタスケジュール、カレンダー情報の登録・編集を行い、
  Icontに対してBACnet経由でマスタスケジュールを書き込む。
 ・Icont側では日の変わり目に実行スケジュールを自動生成し、自動制御の発停出力はIcont側から行われる。
  これにより、HIMのシステムがダウンした場合もIcont側でスケジュールの制御が維持される。
 ・実行スケジュールを個別修正する場合はHIMの画面から修正し、修正分の実行スケジュールのみを
  BACnet経由でIcontに書き込む。

工夫した点・生じた問題の解決策など

BACnetオブジェクトの通信レスポンスは、オブジェクトの種別毎に速度の違いがある

Icontの機種にもよりますが、SAVICとの接続の場合、BACnetオブジェクトの種別により応答速度に差があり、ポーリング周期を考慮する必要がありました。
例えば、Status_FlagsやPresent_Valueなどを収集する際は速度的な問題は無いのですが、ElapsedActiveTime(運転時間)、ChangeOfStateCount(状態変化回数。÷2で運転回数を求める)などは、データの実体がSCS配下のRSやDDC上にあり、かつデータ要求発生時にSCSが個々にデータの収集を行ってから結果をレスポンスするため、応答に時間を要します(※オブジェクト毎の速度差に関する仕様は、山武のBACnet通信仕様書に記載されています)。
このようなデータの収集に関してレスポンスの改善を試みるために、Icont側を担当したエンジニアと調整し、応答速度の遅い各オブジェクトに対するHIMからのデータ要求応報を、SCS側のキャッシュ値を用いて即座に行うという設定を有効にしました。
また、HIMからの収集周期もこれらのItemに関してのみ30分に1回のみなどに変更することで対処しました。(BA-PanelのBACnetタグの通信パラメータに、「/U」パラメータというものがあり、これで収集周期を指定することができます。
今回は「/U=30MIN」とすることであるアイテムのみに限り30分周期に落としました。

社内試験ではIcontシミュレータを活用

BACnetが導入されるような、中・大規模のシステムの場合、空調、照明、電気、などのサブシステム毎に担当するSI事業者が異なる場合が多くあります(空調はA社、照明はB社、など)。弊社内で中央監視システムを開発している段階では、接続対象の実機Icontは各事業者のもとにあり、接続試験のために借用するのは難しい状況でした。
今回のケースでは、各Icontとの通信接続を模擬試験するために、ユニテック社製の「Icontシミュレータ」を利用して開発PC上で全点の模擬試験を行いました。
IcontシミュレータはBACnet仕様に準拠したデータCSV「IEIE CSV」をそのまま取り込んでオブジェクトを生成できるため、各メーカーから本番相当のIEIE CSVファイルを受け取り、シミュレータ上で取り込んで生成したオブジェクトをもとに社内接続試験を実施しました。
結果、現地での実機接続もスムーズに行われ、順調に現地取り合い試験を進めることができました。